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麻痺は治療しても治らない?

これまで脳卒中で半身不随(片麻痺)になると、破壊された神経細胞は再生しないから片麻痺は治療しても回復はしないとの考えが常識でした。そのため、片麻痺の患者さんのリハビリテーションは麻痺のない下肢や上肢を鍛えて歩行や日常生活が出来るようにすることが目標とされてきました。もちろん今後もそれらがリハビリテーションの最優先の目標であることには変わりありません。

麻痺は治療すれば回復する!

脳科学の進歩によって、脳の一部が破壊されても、損傷を免れた他の部位が損傷された部位の役割を代行する能力、可塑性があることが明らかになり、いくつかの麻痺を回復する治療が試みられています。

可塑性発現は使用頻度に依存しますから、麻痺を回復させるためには、麻痺した上肢、下肢を他人の介助を受けながらでも繰り返し動かす努力が必要です。

片麻痺の回復に役立つ促通手技は、治療者が麻痺した手足を上手に操作して患者さんが意図した運動を実現できる手技、つまり意図した運動の実現に必要な神経路だけに興奮を伝えることができる手技だけです。

 

※参照

鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 リハビリテーション医学

促通反復療法

促通反復療法では、治療者が患者の麻痺した手足を操作し、必要な神経路にピンポイントで刺激を伝え、患者が意図した運動を実現させます。これを根気よく繰り返すことで運動性下行路の再建・強化を図る治療法であり、運動麻痺の回復を目標としています。

 

「特徴」

①治療者が手技を取得すればどこでも実施可能

②特別な装備や装置が不要

③関節可動域訓練を兼ねているため他動運動の時間を充てられる

④比較的広い適応があり難易度の調整が可能

⑤療法士の専門職としての技能を最大限に活かせる

 

病院や施設で直接関与可能な規定時間内の治療において、促通反復療法はその内容と量の面から効率の良い運動療法と考えています。

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